ZOOM講座1

物事に熱中して一寸見逃した先のZOOM講座(無料)、だが、大学は小生のよ
うな者のために見逃し配信のZOOM講座を準備してくれた。1週間の間、何度
でも再生可能である。講義時間は45分、各15分に区切った3分割録画も用意。
テーマは「里山の歴史と現代的利用方法」。講師は龍谷大の先端理工学部教授。
図示では説明出来ないが、簡単に概略説明。
『里山は琵琶湖周辺を中心に説明されている。それは江戸時代に描かれた絵図
参考にして推察できる。当時に化石燃料の石油や石炭、ガスは存在せず、専らエ
ネルギー源は薪、炭の樹木である。琵琶湖周辺の湖上から観た165年前の絵図
には、はげ山も描かれている。その代表樹はアカマツ、コナラ、クヌギ。
アカマツは発熱量も高く、今も信楽焼の燃料。人間と自然の共生の場である里山
を代表するこれらの樹木は当時の生活には重要な産物。入会(イリアイ)地として
規制保護、制限利用し、自然循環利用を図っている。(採取量、人数、期間etc)
新たな樹の再生は実生、萌芽更新で再生。数年から数十年で再生産される。
里山からは薪や柴、落ち葉、木の実、狩猟動物が生まれ、燃料、肥料、食料とし
て利用される。当時は化学肥料は無く、生活排水、落ち葉、枝木、葉、木等を田
畑にすき込み肥料化、糞尿、人糞は貴重な肥料で当時は買い手が有料で回収した。
1960年以降、化石燃料の石炭、石油、ガスのエネルギー普及と化学肥料の発
明により、これらの薪や炭の利用は減少の一途を辿り、山林には人の手が入らず、
荒廃していく。当時の木炭生産の産地は岩手、福島、高知が盛んであったが、需
要減退と共に過疎化が進んでいく。今、CO2排出が地球環境問題となっている。
その変わりのエネルギー資源として原子力、自然エネルギーの水力、風力、波力、
地熱、バイオマスなどが脱CO2で注目されている。
以降、エネルギー利用、比較の話に移っていく。石油とバイオマス燃料の発熱量
比較。石油は発熱量が大きく保管、長距離輸送にも適する。バイオマスとはバイ
オ+マス=生物+質量という意。生物(植物樹)は光合成で大きくなる。
針葉樹のおがくずを木質ペレットにしたバイオマス燃料が注目されている。
このバイオマス燃料は里山の資源であり、生活の近くのローカルな利用に適して
いる。化石燃料の石油やLNG、石炭と違い、水力、波力、風力、木質バイオマ
スはCO2を排出しない自然の太陽エネルギーである。樹木は光合成でCO2を
吸収し、酸素を放出し大きくなる数年から数十年間の太陽のエネルギーを固定化
されたもの
。薪や炭、チップ、ペレットとして貯蔵でき、CO2を排出しない優
しいエネルギー。持続可能な再生産の利用に心がければ・・・。
電力は貯めることが出来ない。多様な電力供給源と多様な消費先を電力ネットワ
ークで効率的に制御し安定的に電力供給するスマートグリッド技術が注目されて
いる。この多様な電力供給源の一つにローテックなバイオマス発電は里山からの
地産地消の有力なエネルギー源の一つである。』 講義完
 話は変わって、石油の発見は1859年に米国で。50年後の1908年には
フォードが車の量産を始めた。日本の大衆車のカローラ、サニーが発売されたの
が55年前の1966年、石油文明が開化。55年前はつい最近の出来事。
が今、脱CO2で石油燃料から電気自動車へと急速にシフトしている。
化石燃料、いつかは無くなる。だから、講義中にあった60年前の日本と言えば、
家庭燃料は薪や炭、火鉢、練炭コンロ、稲藁が家庭燃料、一酸化炭素中毒死事故
も起きていた。温暖化とは無縁の時代。柴や薪、落ち葉、練炭、稲藁が燃料であ
ったから山は人の手が行き届いていた。だから今では貴重な松茸も沢山採れた。
今は亡き親父の晩年の話、無舗道の道を2~3歳の小生を前に座らせ自転車でお
袋の里に向かう、今から70年前。真っ暗な夜道の帰り、墓地の前を通過すると
きは小さな小生が心の支えになったと述懐。その距離約18km、所要1時間半。
今では舗装道13kmを車で15分。運搬、移動にも多くの時間を要したもの。
小生は短き石油文明の時代に生きた事になるようなエネルギー転換様相の昨今。

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