脱炭素社会

コロナ禍の正月、一人でゆっくり過ごした。毎年新年になると紙上では今年の世界、
社会の動き、変化、課題等を予想している。この記事で2点、我が目に留まった。
一つは強権中国が及ぼす世界への影響、リスク、その対応に関する記事。
もう一つはカーボンニュートラルの記事。日本政府は地球温暖化の原因となるCO
2排出量を2050年にゼロにするというカーボンニュートラルの目標を最近表明。
昨夜もNHKBSで放映した「グリーンリカバリー(緑の復興)」脱炭素で持続可
能な循環型経済を目指す企業レベルの取り組みが紹介された。
コロナ後は世界が大きく変わると言われているが、今一つピンと来ない。がしかし、
これらの紙上記事、放送内容から社会にパラダイムシフトが起きる、今までとは価
値観が大きく変わるのではないかと感じるもの、変わらざるを得ないとこの10年で。
何故か?!京都議定書COP25などで定めた基準を守らず、このまま温暖化ガ
スのCO2排出を続けると人類文明崩壊のスイッチが入るという。人類がコントロ
ールできず、温暖化がドミノ倒しのように暴走する気候非常事態が起きると警告し
ている。異常気象による気温、海面上昇、風水害等の増加、旱魃による食料生産の
減少、生物多様性の代表である珊瑚の絶滅など災害リスクの増加で人類生存に大き
な影響を及ぼすと警告している。
処で2006年9月、地球温暖化の講演を聴きに行った。講演者は地球環境問題に
詳しい山本良一教授で二度目である。14年前の当時の講演で教授は1997年の
京都議定書のCO2排出基準を今世界が守らなければ、地球の温暖化は止められな
いリミットの時期にあると説いていた。そのリミットは既に過ぎ、現在は気温上昇
カーブを如何に緩やかに抑えるかに移っている。既に産業革命前から気温は1.2
℃上昇、2030年の1.5℃上昇を回避するには、この10年間で世界のCO2
排出量を半減させる必要があるという。
2015年のパリ協定で決まった目標は、産業革命以前に比べて1.5℃に抑える
には2050年までに世界全体で温室効果ガスの排出量を森や海が吸収するCO2
量を差し引いて実質0とする人類排出0を目指すというもの。
最大のCO2排出量の代表は火力発電所(石炭、原油、LNG)、化石燃料を燃や
す自動車も多くの排出量。企業の生産活動、家庭でも多くの電気、ガス、石油エネ
ルギーを消費し、CO2を排出。この化石燃料による発電から自然エネルギーの風
力、水力、ソーラー、原子力、水素、バイオ発電等に切り替え、そして蓄電技術。
また、そのエネルギー消費量を如何に低く抑えるか?!が問われている。
アップルは米国内の工場の消費エネルギーを再生エネルギー100%で達成したと
いう。製品の循環型リサイクルを進め、アルミニュームの再生など回収した製品か
らの再製品化を目指す。また関連部品企業であるサプライチェーンにもカーボンニ
ュートラルを求め、達成できない企業はこのチェーンから排除するようだ。
消費者、株主の目も厳しくなっている。カーボンニュートラルに積極的な企業を応
援する。消極的な企業は市場から自然淘汰されていく。    こうして
世界全体が約束した地球に優しい脱炭素社会、循環型社会を目指し、価格競争によ
る経済的価値から自然に優しい製品を重視する社会的価値にウェイトを置く考えへ
と変わっていくようだ。人々の行動、思考は企業経営にも変化が起き、ビジネスチ
ェンジ
、新たなビジネスモデルも生まれて来るもの。その変化のリミットは203
0年、スピードとスケールで決まるこの10年が脱炭素ビジネス優位に立つ正念場。
最も身近な車が大きく変わろうとしている。車の電動化技術が急速に進むに代表す
るように大きく社会が変革するパラダイムシフトに向かっているようだ。
この1年のコロナ禍は世界経済に大きなダメージを与えた。その後の経済再興は、
脱炭素のカーボンニュートラル、持続可能な循環型経済社会の移行に投資し、経済
の活性化を図る。米国はそのために2兆ドル(214兆円)投資すると決めている。
参考)・1950年からの50年間に、地表の平均気温は0.43℃上昇。(大幅上昇)
   ・1990年から2100年の間に地球の平均気温は最大5.8℃上昇と予測。
    これは多くの動植物の死滅を意味する。  
   ・バーチャルウォーター(仮想水)と言う考え方がある。これは日本が輸入
    している食品や製品を国内で生産するとしたら、どのくらいの水が必要か
    というもの。  食肉、食料1kgを生産するに必要な水量は、
     牛肉=20,700L 、豚肉=5,900L、大豆=2,500L 、米=3,600L
     世界の水不足は他人事では無い。    書籍「1秒のお話」より引用

*上記記述内容は概ね正確ですが、完全ではありません。自ら内容チェック下さい。
*関連記事  ブログ  2019.7.14 「1秒のお話」  

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